『もし自分の不動産の売却を依頼するとしたら、どこの業者に任せますか?』
そんな見方から不動産会社を見てみると・・・。
実は不動産会は、売買や仲介などそれぞれの得意分野が違います。
不動産会社を分類すると以下のようになります。
仲介 |
売買物件の仲介
賃貸物件の仲介、管理
投資用物件の仲介
店舗、事務所、倉庫など事業用物件の仲介
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分譲 |
マンションデベロッパー(主に居住用)
マンションデベロッパー(投資用マンション)
開発業者(大規模な土地区画分譲や一戸建て分譲)
建売業者(小規模開発)など
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買取&再販 |
新築売れ残り物件の買取再販
中古物件の買取再販(リフォームやリノベーション後に販売)
中古物件、土地の買取再販(現状のまま販売)
競売物件の買取再販 など
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専門系、その他 |
企画開発業務
不動産特定共同事業、不動産投資ファンド
オフィスビル、テナントビル、商業施設の運営
投資有効活用業務
不動産競売、任意売却専門
建築業者の兼業 など
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売却の依頼をするための業者は、売買物件の仲介業者です。
さらにこの中で、一戸建・中古マンション・土地などに分かれています。
売買物件の仲介業者のタイプ
売買物件を取り扱う仲介業者
❶ |
土地や一戸建てを中心に取り扱う業者
中古マンションを中心に取り扱う業者
投資用物件を中心に取り扱う業者
買取り業者へ物件を持ち込むこと(業販)を中心に取り扱う業者
新築マンションなどの販売業務をデベロッパーから請け負う業者(代理業者)
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❷ |
居住用物件に強い業者
事業用物件に強い業者
投資用物件に強い業者
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❸ |
売却の依頼を受けるのが得意な業者(物上げ業者、元付業者)
購入希望者を見つけるのが得意な業者(客付業者)
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不動産業者のタイプがわかったとしても、得意分野が何かを見極めるのは難しいかも知れません。
どのような物件を取り扱っている会社なのか、得意分野は何かを見極めることがポイントとなります。
また、不動産は取引金額も大きいので、トラブルや問題は起こりやすく、下記のような問題が生じる場合もあります。
- 敷地境界の問題
- 地価の問題
- 擁壁(ようへき)や法面(のりめん)の問題
- 道路幅の問題(役所の台帳と相違など)
- 埋設管の問題(配管位置や素材など)
- 土地の権利関係の問題(隣地や私道など)
- 建物自体の問題
- 隣地とのトラブル
など...
このため、マンション、土地、一戸建てを売却するのなら、こうした問題に経験豊富な売買物件をメインに取り扱っている仲介業者を選ぶといいでしょう。
そして、その地域の取引に強い業者なのか、実績はあるのか?
担当者の経験や知識は豊富なのかについて知っておくと良いと思います。
大手業者か、中小業者か?
「大手の業者が良いのか、中小業者が良いのか...?」
よくこのような会話が交わされます。
結論をから言うと、会社の規模の大小はあまり関係がないと思います。
なぜ規模の大小はあまり関係ないのか?
不動産会社を取り巻く環境の変化
不動産の流通システムが整備されている現在では、業者間の情報に格差がなくなりました。
売却を依頼された不動産業者は、レインズという物件情報システムに登録をします。
登録すると、どの業者であっても物件情報を受け取ることができます。
不動産売却には3つの契約があります。
・専属専任媒介契約
・専任媒介契約
この2つの契約の場合には物件情報システムへの登録義務があります。
依頼をうけてから一定期間内に登録をしなければなりません。
また、残りの契約形式、
・一般媒介契約
この契約には登録義務はありませんが、実際のところ登録する業者が多いのが現状です。
売却を依頼する業者の規模の大小に関係なく、同じ条件で業者間の情報が公開されています。
現状では、3つのどの契約でも物件情報の条件は同じです。
大手業者
デメリット
- 特殊なケースに対応できない
- 案件が多いので個別で力を入れてもらえない
まとめ
大手のメリットの一番は大手という安心感です。
資金に余裕があるため、受付から会社の設備なども立派です。ただし、不動産業界のバブル以降の大型倒産も珍しくないため、大手と言っても一概に安心という訳でもない場合がほとんどです。
街の小さな業者は安心感が低いという不安からくるものです。
「もしトラブルが起こった時に最後まで対処してくれるのか?」
街の業者と比較すると、このように思われたのかもしれません。その点大手は、マニュアルなどで一定以上の社員教育をしているところが多いため安心感があります。
その反面、特殊な物件はあまり力を入れてもらえない場合があったり、一定以上のサービスを期待しても断られることもしばしば。
経験の浅い新人スタッフが担当する場合もあります。
中小業者
まとめ
街の不動産屋さんなど中小の不動産会社に依頼するメリットは、地元密着ならではの独自の業者間ネットワークや人脈を持っている点です。また大手より親身になって相談に乗ってくれる傾向があります。
デメリットは、販売ネットワークが狭い点です。どこでも売れるという訳ではなく、地元に特化している傾向があります。一人で切り盛りしている業者は確かに安心感という面では不安だと思います。
大手に負けない安心感を中小業者で求めるなら、地元に長く根ざした業者であり、大手の会社を超える「誠実さ」と「情熱」を持っている業者を選びましょう。
中小でお客様に誠実でない、一生懸命でない、地元に強くないと感じる会社や、やる気を感じない担当者なら中小を選ぶ理由はありません。
大手業者、中小業者、ともにメリット、デメリットがありますが、それぞれの良い面をもった会社が良い会社といえます。
また、どの会社でもそうですが担当者もポイントです。
あなたにとって良い不動産とは?
- 1会社の大小の規模よりも、販売に熱心に取り組んでくれるか?
- 2地域特有の問題や情報に詳しいか?
- 3担当者のスキルが高く、熱心に対応してくれるか?
- 4メール対応が悪い不動産会社は避けること
- 5営業姿勢や広告戦略が良い会社
- 6高額査定と仲介手数料
査定金額が高いところは何の根拠もありませんので、注意が必要です。
また、仲介手数料を安くしますという会社も売却額が低いと意味がありません。
大切なことは、仲介手数料の額よりも、より高く、又はより早く売却するために、どのような販売広告活動や営業対応で取り組んでくれるのかということが大切です。
このように、最も重要な部分を押さえていくことで、あなたの不動産は有効に売却することができるでしょう。
不動産売却について